姉弟道

*゚。梓Side。゚*

リコが入り口の席に座ったことを確認すると、俺は樫野が待っているテーブルに向かって椅子に腰を下ろした。

「大丈夫?」

腰を下ろしたとたん、樫野が聞いてきた。

「何が?」

俺が聞き返すと、
「体調」

樫野は答えた。

そんなことを聞くと言うことは、俺がリコと2人でトイレにいた時間が長かったと言うことだろう。

「別に、大丈夫」

俺がそう答えると、樫野はホッとした顔をした。

俺はそんな樫野の顔を見ると、
「あのさ」
と、話を切り出した。

「この見合い、なかったことにしてくれないか?」

俺がそう言ったとたん、樫野はデカい目をさらにデカくさせた。