姉弟道

*゚。梨湖Side。゚*

何なのよ、一体。

あたしの腕を引っ張るあーちゃんの背中を見ながら、あたしは思った。

バカじゃないの。

そう思いながら、あーちゃんの言葉を思い出していた。

――いるよ、ずっと見ているヤツが

好きな人がいるかと聞いた時に、あーちゃんははぐらかさずにすぐに答えてくれた。

あーちゃんの好きな人は、一体誰なんだろうか?

…あたし、何を考えているんだ?

幼なじみ同士の恋なんか信じてないんでしょ?

都合がよ過ぎるからと言う理由で、全くと言っていいほどに信じてないんでしょ?

あたしとあーちゃんなんか、なおさらだよ。

*゚。梨湖Side。゚*END