姉弟道

まるで彼女に告白しているみたいで、恥ずかしくなった。

「絶対、断るからな」

リコにも自分にも言い聞かせるように、俺は言った。

「じゃあ、もう出るぞ。

そろそろ桃坊に返さねーと」

返さねーとって、リコはおもちゃか!

自分でそう言って自分でツッコミを入れると、俺はリコの腕をつかんだ。

それからこの場に誰もいないことを確認すると、リコと一緒にトイレを後にした。

たった数秒だけの出来事なのに、俺はリコの顔を見ることができなかった。

*゚。梓Side。゚*END