「リコ」

あたしの名前を呼んだその声に振り返ると、
「何だ、あーちゃんか」

あーちゃんだった。

「何?」

あたしが聞くと、
「別に、声がデカいから何だって思って見ただけ」

あーちゃんは呆れたように返した。

「デカいとは何よー!」

あたしが言い返すと、
「別に事実じゃん」

あーちゃんがさらに言い返した。

「もう何よ!」

フンと、あたしはスタスタと家の中に入った。

ホント、ヤなヤツ!

あーちゃんも杉里さんを見習えばいいのに!

だから22になっても未だに彼女ができないのよ!

*゚。梨湖Side。゚*END