あーちゃんとは、隣に住んでいる幼なじみの名前だ。

「でも気にならない、顔をあわせたらちょっかいかけてくるし」

話し始めたリコさんをさえぎるように、
「お待たせしましたー」

天津飯とチャーシューメンと餃子がきた。

「幼なじみ同士の恋愛は無理だと思うの」

天津飯をレンゲですくいながら、リコさんが言った。

「世の中には幼なじみ同士の恋愛はどうとかこうとか言ってるけど、あたしは無理だと思うの。

だって、幼なじみでしょ?

友情が恋愛に変わる瞬間なんてあるのかって感じ」

そう話し始めたリコさんに、
「まあ、そうですよね…」

チャーシューを食べながら僕はあいづちを打った。

「だから、幼なじみ同士の恋愛なんて無理に決まってる!

そもそも都合がよ過ぎる!」

そう言うと、リコさんはすくった天津飯を口に入れた。

それから、僕たちは適当に雑談をしながらお昼を食べた。

その間も僕の心臓はドキドキと鳴っていた。

*゚。杉里Side。゚*END