自己紹介が遅れてしまったけれど、俺の名前は松田桃護(マツダトウゴ)だ。

この春に地元の高校に入学したばかりの高校1年生だ。

顔も、成績も、まあまあ中くらいって言うところだな。

「そうだよ」

俺はアズにぃの質問に答えた。

「そっちこそ、何してるの?」

アズにぃが聞いてきたので、
「見りゃわかるだろ…」

俺は彼の質問に答えようとした。

「モモちゃーん」

そこへ声をかけてきた人物が現れた。

ほらきた。

「ごめんごめん」

人懐っこい笑顔で俺とアズにぃの間に入ったのは、俺の1つ上の姉だ。

彼女はリコ姉ちゃんこと松田梨湖(マツダリコ)である。

俺のことを“モモちゃん”と呼んでいる唯一の人物だ。