姉弟道

「あたしに許嫁がいると言う話は本当だったでしょ?」

そう言ったリコさんはどや顔だった。

そのどや顔は、“悪女”と言っても過言ではない。

でもそれに対して腹が立たないって言うのは不思議だ。

それが“リコさん”と言う人なんだろう。

リコさんだから人から憎まれないし、腹も立たないんだろう。

柘植さんは、何も言えないと言うように黙っている。

それを見ていたら、リコさんがまた肘で僕の脇腹をつついた。

「あの…リコさんから、話は聞いてます」

僕は言った。