姉弟道

俺はブレザーを脱ぐと、カバンのところに放り投げた。

「食うぞ」

アズにぃがそう言ったので黙ってうどんを食べた。

2人いるこの場には、うどんをすする音しか聞こえなかった。

「あのさ」

アズにぃが箸を止めると思い出したように言った。

「ん?」

俺も箸を止めた。

「その、杉山だっけ?」

アズにぃがそう言ったので、
「杉里ね」

俺は訂正した。

杉里さんとは、父さんのお弟子さんだ。

リコ姉ちゃん曰く、お兄さんキャラなのだそうだ。

「それが、どうかしたの?」

俺が聞くと、アズにぃは黙った。

何だよ、一体。

そう思っていたら、アズにぃが言った。