姉弟道

*゚。梓Side。゚*

「何してるんだよ…」

打ち水をするために表に出てきた俺は、目の前の光景を見てイラついていた。

あいつ、何で手を繋いでるんだよ!?

杉里だか杉下だか何だか知んねーけど、マジでムカツク!

と言うか、そいつと手を繋ぐほどの仲なのかよ!?

「ホンット、ムカツクなあ…」

毒づくように、俺は呟いた。

あいつ――リコは俺の存在に気づいていないと言うように、杉里とか言う男と一緒に中に入って行った。

ったく、何だよ!

そう怒鳴ってやりたい俺に、
「何してんの?」

横から声が聞こえた。

視線を向けると、
「桃坊か」

リコの弟、桃坊だった。