だって、かわいそうでしょう?

いくら何でもそんなのは無理だと思った。

「あたし、ずっとそばにいるから」

あたしは言った。

「あたしがあーちゃんのお嫁さんになったって、あたしたちはずっと姉弟じゃない」

何を訳がわからないことを言っているんだと、自分でもそう思った。

確かに姉弟の血は、永遠に消えない。

縁を切ったとしても、ずっと消えない。

あたしは、モモちゃんの背中に視線を向けた。

「…大丈夫だからね」

消えてしまいそうな声で、あたしはモモちゃんの背中に向かって言った。

モモちゃんはテレビに視線を向けたまま、首を縦に振ってうなずいた。

*゚。梨湖Side。゚*END