その翌日の昼休みだった。

「松田くん」

廊下を歩いていたら、石楠花先生に声をかけられた。

「どうなりましたか?」

昨日のことを思い出して、俺は聞いた。

「最後は泣きながらだったけど、何とかわかってもらったわ」

石楠花先生は少し照れたように笑いながら返事をしたのだった。

「そうっすか」

それだけ返事をすると、俺は小さく頭を下げて彼女の前から立ち去ろうとした。

「ごめんなさい、松田くんたちを巻き込んじゃって」

呼び止めるように石楠花先生が言った。

「気にしてないです」

俺はそう返事をすると、今度こそ石楠花先生の前から立ち去った。