「ご迷惑をおかけして、すいませんでした」

小さく頭を下げると、石楠花先生は俺たちの前から立ち去った。

その場に残された俺たち3人を代表するように、アズにぃが口を開いた。

「警察に言うか?」

そう聞いたアズにぃに、リコ姉ちゃんは首を横に振った。

「何にもないのに、警察に言っても仕方がないでしょ?」

リコ姉ちゃんはため息をつくようにそう言うと、
「帰ろ」
と、俺をうながした。

俺は素直に首を縦に振ってうなずくと、アズにぃに視線を向けた。

「おやすみ」

アズにぃはそう言うと、俺たちの前から立ち去った。

俺たちも大人しく家の中に入った。