姉弟道

外に出ると、冷たい空気が俺を迎えた。

最近の俺はどうかしてるな…。

いろいろなことがいっぺんに起こるから、心のバランスがつかないのは当然のことだろう。

そう思った時、
「松田くん?」

後ろから声をかけられたので振り返ると、石楠花先生だった。

「こんな時間にどうしたの?」

そう聞いてきた石楠花先生に
「散歩です、先生は?」

俺は答えると、質問を返した。

「コンビニに行ってたの」

石楠花先生はコンビニでもらってきた白い袋を見せた。

「涼蘭!」

俺と石楠花先生以外の声がしたので視線を向けると、スーツ姿の長身の男が立っていた。

どこかのセールスマンかと思っていたら、
「織田くん…」

石楠花先生が呟いた。

「知りあいですか?」

俺が聞くと、彼女は首を縦に振ってうなずいた。