あごで胴体を指差すリコ姉ちゃんがわからなくて、
「はっ?」

俺の口からマヌケな声が出てきた。

「だから、あんたは胴体の方を持って行けって言ってるの」

リコ姉ちゃんが怒ったように言った。

「何だよ、それ」

俺は呆れた。

自分が楽しようとしてるだけじゃねーか。

「あんたは男でしょ!」

こうなると、リコ姉ちゃんが面倒くさいだけである。

「はいはい」

俺は仕方なく、掃除機の胴体を持ちあげた。

そのままリコ姉ちゃんと仲良くぶっ壊れた掃除機をゴミ捨て場まで運んだ。