家に帰ると、
「あら、おかえり」

重ねた皿を手に持っていたリコ姉ちゃんが俺を迎えた。

「思ったより早かったな、桃坊」

水の流れる音と一緒に、台所からアズにぃが声をかけてきた。

「逆に気をつかわれたよ」

俺は後片づけを手伝うリコ姉ちゃんに声をかけた。

「ふーん、そう」

リコ姉ちゃんの返事はそれだけだった。

「それで気をつかわれてどうしたの?」

リコ姉ちゃんが聞いてきたので、
「別にどうもしないよ」

その質問に俺は答えた。

ジロリと、野良猫みたいな目でリコ姉ちゃんが俺に視線を向けた。

「な、何だよ」

そう聞いた俺に、
「別に」

リコ姉ちゃんはそれだけ言うと、ふきんを台所へ持って行った。

*゚。桃護Side。゚*END