座布団に座っているリコ姉ちゃんは、赤い眼鏡をかけていた。

ちなみにその眼鏡はどこかの雑貨屋で見つけて買ったものである。

アズにぃと同じで目の腫れが治っていないのだろう。

リコ姉ちゃんはアズにぃと目をあわそうとしなければ、アズにぃもリコ姉ちゃんに背中を向けていた。

彼らのその様子から、俺はお互いを避けあっているのだと思った。

対決場所である厨房にきても、リコ姉ちゃんとアズにぃはお互いを避けあったままだ。

ちなみに厨房の使用許可は父さんからちゃんともらっている。

流しの前に立つと、アズにぃと杉里さんが向きあった。

俺は2人が向きあったことを確認すると、
「それじゃあ、始め!」

パンと、手をたたいた。

勝負の火ぶたが切られた…って言うか、火ぶたってほどでもないか。