姉弟道

何枚かの桜の花びらが黙っているあたしたちの間をすり抜けて行った。

もう春なんだな。

あたしは新しい学年に進級して、モモちゃんは高校生になった。

あたしたち姉弟はこうして変わって行く。

変わってないのは、あーちゃんくらいかな?

彼は隣でお父さんと2人で仏壇店をやっている幼なじみだ。

お母さんはあーちゃんが中学生の時に病気で亡くなった。

癌だった。

そんなあーちゃんも20歳を過ぎた大人になったのに、まだ子供みたいだ。

小さい時から全然変わってない。

まあ、親でも何でもないあたしが言うセリフじゃないけど。