杉里さんはアズにぃの前へと歩み寄ってきた。

俺はどうして杉里さんがここへきたのか、アズにぃの前にきた理由がわからなかった。

アズにぃの前に到着したのと同時に、杉里さんの唇が動いた。

「対決してくれませんか?」

杉里さんがそう言った瞬間、時間が止まった気がしたのは俺の気のせいだろうか?

「はっ…?」

驚きのあまり、アズにぃの声はかすれていた。

「僕と対決してくれませんか?」

杉里さんがもう1度言った。

対決って、アズにぃと杉里さんが?

俺はアズにぃと杉里さんの顔を交互に見つめた。

「リコさんが泣く姿はもう見たくないんです!

だから、俺と対決してください!」

真剣な声で、杉里さんが言った。

何とも言えない沈黙がこの場を包み込んだ。