翌日、俺はアズにぃの家を訪ねた。

だけど、リコ姉ちゃんを連れて行くことはできなかった。

朝食時に顔をあわせた時、リコ姉ちゃんの目は腫れていた。

話があるからと言ったけど、リコ姉ちゃんは黙って首を横に振っただけだった。

リコ姉ちゃんがこないことを伝えるため、俺はアズにぃの家を訪ねた。

「おう」

俺を迎えてくれたアズにぃは、黒ぶち眼鏡をかけていた。

アズにぃは視力が悪い。

普段はコンタクトレンズなのだが、今日は眼鏡をかけていた。

アズにぃも目が腫れているのだろう。

それを隠すために、眼鏡をかけたんだと俺は思った。

リコ姉ちゃんはこないと伝えると、アズにぃは聞こえるか聞こえないかの声で返事しただけだった。

「あの!」

店に誰かがやってきたので視線を向けると、杉里さんだった。