姉弟道

俺と樫野は近くにあった映画館に入った。

映画のジャンルは樫野のリクエストで最近公開された純愛映画だ。

こんなのどこがおもしろいんだよ。

俺は隣に座っている樫野に気づかれないように息を吐いた。

樫野はスクリーンに視線を集中している。

本当に訳がわかんねーなと、俺はイラついていた。

同時に、リコと一緒だったら楽しいだろうなと思った。

つまんない恋愛映画も、ド派手なアクション映画を見てるように楽しくなる。

実際こうして黙って映画を見ているよりも、リコと口うるさくケンカをしていた方がずっと楽しい。

そう思いながら、俺はペットボトルの緑茶を口に含んだ。