姉弟道

その音に気づいて俺は振り返ったけど、リコ姉ちゃんはもういなかった。

「――幼なじみ、か…」

俺の呟いた声は、もうすでに部屋にいるリコ姉ちゃんには届いていないと思う。

同時に、リコ姉ちゃんはそれだけしかアズにぃを見ていないのだと思った。

アズにぃは、リコ姉ちゃんにずっと片思いをしていたたって言うのに。

すみれさんの存在なんか知らないって言うくらい、リコ姉ちゃんに恋をしていたのに。

リコ姉ちゃんはアズにぃのことをそんな風にしか見ていなかった。

そう思うと、俺は何故だか泣きたくなった。

…俺が泣いてどうするんだよ。

「――リコ姉ちゃんのバカ…」

リコ姉ちゃんの部屋のドアに向かって呟くと、俺はその場を後にした。

*゚。桃護Side。゚*END