すると和泉はジャンプしたままボールを左手に持ち返ると、


ひょいっ …――


そんな音が聞こえてきそうなくらい、軽々と。


目の前の大きな壁の脇をすり抜けて、シュートを決めてしまった。


……― ザシュッ!!


「うおぉぉ~、出たっ!」
「きゃーーっ!」
「和泉くん、かっこいー!」


体育館が歓声に揺れる。
私の足元にもビリビリきた。

シュートを決めた和泉は他の選手とハイタッチを交わしながら、最後にその握り拳を私に見せつけた。

そして、いつもの自信満々の顔で笑う。


ハイハイ、ちゃんと見てましたよ。