「何、お前も見に来たの?」

「うん。てゆーかあんた今、試合中でしょが。何、普通に話してんのよ」

「何ってお前が話しかけたんじゃん」

「だからって…あんた」

Tシャツの肩で汗を拭いながらこっちに歩いてくる青の5番。コートでは相変わらず試合が続行中にも関わらず。本当にコイツ、マイペースだな。

和泉が私とのほほんと会話をしていると、歓声が上がった。和泉が目を丸くしてコートを振り返る。

「あれ?」

「ばーか。」

コイツがこんなんだから、敵チームが3ポイントシュート決めちゃったじゃん。

私は頬杖をつきながら、ニシシと笑った。

「和泉!」

ゴール下からボールを入れるゲジ眉の7番が和泉を呼ぶ。

「ほら、さっさと行ってきなよ」

「うっし。んじゃ、これで俺が3ポイント決めたらお前、俺にマック奢れよ」

和泉がこっちを見上げながら、私に言った。