「…ごめんなさい」

フーは足を組み換えてため息をつく。

「いい加減聞き飽きた。本当に反省しているとは思えんな」

「…そうだよね。だけど、ごめんなさい。他に言葉が見つからないの」

狭い空間にフーと二人きり(正しくは柏木さんもいるけど)。待ちわびていたシチュエーションのはずなのに、私の気持ちは凹んだままだった。フーの言葉もいつもと違って聞こえる。

フーはいつもと同じなのに。
違うのはきっと私の方だ。
フーはいつもと何も変わらない。

そのことに気付いて私は、きゅっとスカートを握りしめた。

「ごめんね、フー。今までごめん。私が守るとか、味方だよ、なんて…フーが今までどんな気持ちでそれを聞いていたのか、気付かなくて本当にごめんなさい!」

体を折り曲げてフーに向かって頭を下げた。その姿勢のまま私は続ける。

「だけどね、それでもね、気持ちは本物だったんだよ。今でも私はフーの味方になりたいし、何より一人じゃないよって知ってほしくて…どんな時でもどんな場所でも私がいるよってわかってほしくって…だからね、だからね…」

顔を上げた。そこにはいつもと同じ呆れ顔のフーがいた。いつものように私を見ている。だけど、今日の私は違うの。そうだ。違うんだ。

私は顎を引いてフーを見つめた。