やっぱり私は本調子じゃないみたい。いつもの私だったらこれくらいのフーの発言でイチイチ落ち込んだりしないもん。当たり前だけど、自分のダメージの深さを改めて思い知る。

なんて落ち込んでいたら、車は走り出してしまった。

「あぁっ、、、!」

これじゃもう、さすがの私も降りられない!ハリウッドの映画じゃないんだからっ!

動き出した景色を見送るように窓ガラスに手をあてていると、ふと髪に誰かの手の暖かさを感じた。

「っ?!」

驚いて振り返るとそこには、私に向けられた大きな手のひら。その手は同じ後部座席に座るフーと繋がっていた。


え、え、え?!何??!!


フーが触ったとしか思えない展開に後頭部を思わず隠そうとすると、

「っっっ、たあぁ~!」

さっきぶつけた所がでっかいタンコブになっていた。うっかり自分で触って涙目になる。そんな私にフーは一言。

「…お前、馬鹿だな。」


おっしゃる通りです、、、