一気に自分が恥ずかしくなって、急上昇したテンションとは反対方向に急降下した私の乙女心。私は顔を両手で覆ったまま、フーに叫ぶ。

「あの、あの、えっと、ごめんなさい。その、別にフーに会いに来たとかじゃないの。フーに迷惑かけるつもりはないからね。ただ、ただ、その…ちょっとだけ、本当にちょっとだけ近くにいたかったってゆーか…へ、変な誤解しないでね!」

ああ、支離滅裂。自分でも何を言いたいのか何を口走っているのかわからない。そうしたら、

「今更だな。」

だって。しかもため息まじってる。わ~、もう、本当に恥ずかしい。また迷惑かけちゃった。あきれられちゃった。私ってどこまでもダメで馬鹿な子だ。

「フーこそ、フーこそなんでここにっ?!」

「ここは俺の会社だ」

「そうだけどっ!なんでここにいるの?!」

「今から出る。その前に柏木から不審人物がいるとの通報があった」

柏木さんかっっ!!
余計な真似を…!!

うぬ~、と私が握り拳を突き上げようとしていると、

「来い。柏木に送らせる」

私を突き放そうとするいつものフーの声がした。