つま先立ちの恋

「ね、やばくない?」

「ほっとこうよ。私たちには関係ないんだし」

「そうだね。見なかったことにしとこ」

「そうそう。チクったって言われる方が面倒だって、あんなの」


···何の話だろう?


この時間、クラブハウスに人は少ない。一番部活が盛んな時間だからね。


特に気にも止めず私は、いつものように使われていないクラブハウスの一室のドアを開けた。


その時だった。


その声が聞こえたのは。