無言のまま佇む私たちは、自然とヒカルちゃんの姿を見送ることになる。


最初に口を開いたのは、

『ヒカルちゃんも次は体育なのにね』

パペちゃん。

「あっちって……確か、焼却炉くらいしかないのに」

それから葵ちゃん。

二人はただ、見たことをそのまま口にしているにすぎないのに、その言葉はまるで私をある方向へでも誘っているみたいだった。

いけない。
そんなこと考えちゃ。
だって。
だけど。
まさか ……―


「あ、灯歌ちゃん?」


そういえば、考えるよりも先に体が動いちゃうのが私だった。ヒカルちゃんを追いかけて校舎裏へと歩き出していた。