「とりあえず、ジャージがないとこの寒いのに半袖で体育やることになっちゃうよ?」

「それはやだ~」

『誰かに借りようか?』

「誰かいるかなぁ…」

そう言いながら、私たちが他の教室へと移動する為に廊下を歩いていると、ふと、窓の外。


「………あれ?」


先に気が付いたのは葵ちゃんだった。

「どうしたの?」

足を止めた葵ちゃんが見下ろす窓の下を、葵ちゃんの後ろからのぞき見る。


「………ヒカルちゃん?」


窓の外。誰もいない校舎裏へと歩いて行くヒカルちゃんがいた。