……― カキーン! 『抜けた!』 「きゃーっ、灯歌ちゃんステキっ!」 「走れぇっ!」 自分でも手応えがあった。その余韻を握りしめて走り出す。 打った球はショートを抜けた。三塁ランナーが全速力でホームを駆け抜けると、ベンチから飛び出してきたクラスメイトみんながハイタッチして彼女を迎える。 私も一塁を余裕でセーフ。うん、まだ走れる。 振り返った私に葵ちゃんとパペちゃんが空高く拳を突き上げて見せたので、私も同じように拳で空を突いた。 あぁ、気持ちがいい! 久しぶりに走った気がする。