つま先立ちの恋

「私にとってフーはやっぱり特別なの。小さい頃からずっと好きで、私はその気持ちと一緒に大きくなったから、もうこの気持ちは私の一部なんだ。だから……、そんな簡単には切り離せないし、違うって言われても私には何が違うのかわからない」

頭を下げたせいでボサボサになってしまった髪を手ぐしで整える。じっとしていられない性分なんだから仕方ない。

「確かに私は子どもだしフーのいる大人の世界のことはよくわかってないかもしれない。ううん、わからない方が多い。それを言い訳にするのは甘えかもしれない。だけど、わかったフリなんて私にはできないんだもん。だって、、、馬鹿だから、、、」

下を向いてしまおうとする顔を強い気持ちで言い聞かせる。フーの背中から目を逸らすな。

「それにフーが言ったんだよ、私は子どもだって。だから、わからなくてもしょうがないの。大人のルールを子どもの私に押しつけないでほしい」

私はまだ子どもだ。
それをフーだってわかっているのに、こういう時だけ大人扱いはズルイ。


だったら最初から子ども扱いしないでほしい。