つま先立ちの恋

「あの…ごめんね、この間は。私もあれからいろいろ考えて、反省したの。

フーの言う通り私、自分のことしか考えてなかったと思う。フーにすごく悪いことしちゃったなぁって。だからどうしても謝りたかったの。

……ごめんなさい!」

深く頭を下げた。
部屋に、私が持っているコンビニのビニール袋が揺れる音だけが響く。

それからフーが着替える音。衣が擦れる音。

私は頭を上げる。

「あの、だけどね、これだけは言わせてほしいの。迷惑かもしれないけど、またフーを怒らせちゃうかもしれないけど、だけどね、聞いてほしいの」

フーが私に向かって背を向けている姿は変わらない。だけど、それでいいの。

フーの顔を見たら私、ますます頭の中がこんがらがっちゃうだろうから。