つま先立ちの恋

私は足音を鳴らしながら彼の前まで歩いて行くと、冷蔵庫のドアを力強く閉じた。

「ちょっと!勝手に冷蔵庫開けたりしないでください!」

私の怒声に明人さんの目が私に向けられる。

「何であなたがここにいるんですか?」

「何でと言われても…」

「フーがあなたを部屋に入れるなんて考えられません。どうやって入り込んだんですか。柏木さんはどこ?」

「柏木さんなら会社ですよ。片付けなくてはならない仕事が幾つかありましたから」

「だからってあなたがここにいる理由にはなりませんよね?」

「冬彦サンが心配だから。では、納得してもらえませんか?」

と、首を傾げて笑う彼を前に私は一瞬言葉に詰まってしまう。我ながら情けないぞ!

負けるもんか!
私は誰であろうとフーの味方なんだから。

てゆーか、また下の名前で呼んだりして!!

「ちょっとさっきからなれなれしくフーの名前呼ばないでください。それとも何か企んでるんですか? だとしたら、風邪で弱ってるフーにつけこむような真似、私が許さないんだから!」


―――― その時、



「うるさい。」