到着したエレベーターから下りると、そこを中心に左右に向かって道が続いていた。その先に人の姿を捉える。
その人は開かれた玄関のドアに背中を預けて立っていた。
上着を脱いだスーツ姿。深くて光沢のあるベストとえんじ色のネクタイ。
それから、どれだけ距離があってもよくわかる整った顔立ち。美術室とかでよく見る彫刻みたいに深くて色が白くて、一度見たら必ず記憶に残ってしまうくらい、どの角度から見ても完璧なその顔に私も何度か出会っていた。
私が驚きのあまり動けずにいると、その人はその形のいい唇の端を持ち上げて笑った。
「どうやら自己紹介をする必要はないようで安心したよ」
最も、声を聞いたのはこれが初めてだったけど。
その人は開かれた玄関のドアに背中を預けて立っていた。
上着を脱いだスーツ姿。深くて光沢のあるベストとえんじ色のネクタイ。
それから、どれだけ距離があってもよくわかる整った顔立ち。美術室とかでよく見る彫刻みたいに深くて色が白くて、一度見たら必ず記憶に残ってしまうくらい、どの角度から見ても完璧なその顔に私も何度か出会っていた。
私が驚きのあまり動けずにいると、その人はその形のいい唇の端を持ち上げて笑った。
「どうやら自己紹介をする必要はないようで安心したよ」
最も、声を聞いたのはこれが初めてだったけど。

