つま先立ちの恋

驚きで言葉を無くしてしまう。


柏木さんじゃないの?!


じゃあ、誰??!!


そんな私の顔もきっと向こうには見えていたんだろう。


『知らない相手は入れるなって言われてるけど、君のことなら俺も知っているから』


私を、知ってる ………?


ますますわからない。

そんな私にインターホンの向こう側からは優しい声が続く。

『どうぞ。入って左側のエレベーター使ってください。でないと別の棟へ行ってしまいますから』

ガラス張りの自動ドアが開いた。恐る恐る先へ進むと、エレベーターホールに出た。言われた通り左側のエレベーターに乗り、6階のボタンを押す。

上っていくエレベーターと同じように、胸に込み上げてくる問い。


フーの部屋にいるのは、誰?