つま先立ちの恋

興奮マックスの葵ちゃん。念力集中しているのか唸り声を上げている。

恐る恐る立ち上がった私の傍にパペちゃんが寄り添い、二人で葵ちゃんを見守っていると、

「行きなさい、灯歌ちゃん!」

「はいいぃっ!」

葵ちゃんの叱咤に思わずピシッと背筋が伸びる。

「わかんないなら余計に行くしかないんだからね。行って確かめなくちゃ。それでダメなら帰ってくればいいんだから。私とパペちゃんが待ってるんだから! 」

「葵ちゃん、、、」

「こんな風にへっぴり腰の灯歌ちゃんなんて、灯歌ちゃんらしくないよ!」

へっぴり腰?!
私が気になる単語に首を傾げていると、隣りからも優しい声がした。

『行っておいでよ、灯歌ちゃん』

「パペちゃんも…」

『葵ちゃんがここまで怒るなんて、よっぽどのことだよ?』

うん。初めて見た。
それに発声がしっかりしてるからかな。こんなにキレイな声で怒られたのも初めてだよ。