つま先立ちの恋

「そういうがむしゃらなのがお前だろ?」

「……へ?」

「良くも悪くも思い込んだら走らずにはいられない。まっすぐ前だけを見て走ってく。それがお前だ、灯歌」

和泉はなんでそんなこと言うんだろう。

不思議に思って目を上げると、前髪の隙間から見えた和泉のタラコ唇が言った。

「だから、ほっとけないんだよ。お前がいつかたどり着いた先が、お前が望んだ場所じゃなかった時、走った分だけ、一生懸命になった分だけお前は傷付く。そしたらお前、泣くだろ…こんな風に」

和泉はなんでそんなこと言うんだろう。

不思議なのに何故か涙が止まらない。喉が熱い。吐き出す息が苦しくてたまらない。

「俺はそれがいやなんだ」

和泉のたくましい腕が私の頭を抱き寄せた。そのままおでこが和泉の肩に触れる。


和泉、汗くさい。