原因

同機は、副操縦士の手動操縦により名古屋空港滑走路34へILS進入中、副操縦士が誤ってゴー・レバーを作動させたため、FD(Flight Director)がゴー・アラウンド・モードになるとともに推力が増加し、正規の降下経路から上方に変位した。
その後、ゴー・アラウンド・モードが解除されないまま、AP(Auto Pilot)がエンゲージされ、その状態で機長の指示の下で副操縦士が操縦輪を押し続けた。
このためTHS(水平安定板)が機首上げ方向一杯まで作動し、異状なアウト・オブ・トリム状態となり、当該状況を確認することなく更に進入を継続し、迎え角が増大してアルファ・フロア機能が作動し同機のピッチ角が増大した。
この時点で、操縦を交替した機長が、着陸困難と判断してゴー・アラウンドを試したと考えられ、同機は高ピッチ角の姿勢で急上昇し、機長及び副操縦士による回復操作が効果的に行えず、失速して墜落に至った。