夕暮れ行進曲

 とりあえず命は繋がったわけだ、とそんなこと考える俺は坂井を怪物か何かと思っているようで、そんな自分は最低というかへタレだと思った。

 妙な空虚感を胸に抱いたまま俺は坂井を待っていた自転車置き場の、自転車の鍵を開けた。

 夕焼けが落ちそうな空を、自転車に跨いだまましばらく眺めた。

 坂井どうしたんだろう、やっぱり昨日のあの寒さにやられたのだろうか。

 今も俺のカイロを抱きしめているのかと思うとどうしようもなくやるせなかった。

 自転車のベルは錆びてもう鳴らない。