夕暮れ行進曲

 いつもなら立ちこぎをして通り過ぎてしまうような道だが、こうしてゆっくり走るとまたいつもと感じが違って見えた。

「あんまり急がなくてもいいよ?」

「え、急いでませんよ~!」

 坂井は手を左右に振って答えた。それからしばらく無言になった。

 もうすぐ坂井の家への曲がり角がある。そこでお別れだ。

 もうすっかり夜だった。街灯が光りだして月も上がった。