夕暮れ行進曲

 俺達は自転車置き場への砂利道を歩いた。

「いやぁ、俺はさ、吹奏楽を見てて・・・」

「え~、もしかして工藤先輩を見に行ったんですか~!?」

 坂井は疑うように俺を睨んだ。しかしその目線は柔らかかった。
工藤さんは後輩の中でも有名なんだなぁ。

「いや、俺はそういう趣味じゃないから。純粋に音楽を楽しみに行ったわけですよ。」

「ほんとですか~?」

 坂井はにやけながら、しかし気のせいか少し寂しそうな笑顔をした。

「こうやって帰るの、部活の時以来ですね。」