夕暮れ行進曲

 立花はびくっとして、それが俺だとわかるとふっと肩の力を抜いた。
俺は一瞬挙動不審になって、無意味に頭を掻いたり職員室を覗き込むような素振りをした。

「あれ、まだ帰ってなかったの?」

「ああ、まぁ・・・・ね。」

「じゃあね。」

 立花は素っ気無く俺の横を通り過ぎた。

「あ、ちょっ」

 俺は立花を呼び止めた。

「何?急がないとバスが行っちゃうじゃん。」

 そうだ、立花はバス通学だった。俺はそれを聞くと悪い気がして何も言えなくなった。

「そっか、じゃあいいわ。」