夕暮れ行進曲

「もういいよ。出てけ。」

「・・・・」

「出てけっつってんだよ!」

 立花は頭を下げて教室を出て行った。立花を嫌っている女子が顔を見合わせて笑ってるのを俺は見逃さなかった。

 立花以外に課題を忘れた者はおらず、ポマードは教卓に引き返した。

「えー、じゃあ教科書20ページ開けて。」

 ポマードは立花が教室を出た後、何事も無かったように授業を続けた。
しかし教室内はいつも以上の緊張感に支配されていた。

 ポマードは黒板に物語の題名を書き始めた。
「羅生門 芥川龍之介」