「立花、今日放課後空いてる?」

 昼休み、俺は立花に声をかけた。
立花は椅子に座りながら、描いている絵を途中で止め首から上だけ俺に振り向いた。

「高橋?うん、別に用事ないけど。」

「ああ、じゃあ放課後また声かけるから。」

 立花はあごを前に突き出して気だるそうな頷きをした。
別に馬鹿にしているわけではない。
これが普通の立花だ。

 その日の授業はろくに頭に入らない。坂井に告白された翌日の時と似ているようで少し違う。