本当に僅かな時間、コンマ数秒で消えてしまったが俺は歓喜した。

「あぁ!UFOだ!・・・・」

 一人でいるにもかかわらず声を上げてしまって、それでも恥じらいはなかった。

「すげぇ・・・」

 それが本当にUFOであったかはわからないが俺は今年一番の感動に触れたような気がした。

 俺は大きく伸びをして深く息を吸い込んだ。
自転車をゆっくり立てる。

「お前も見たよな?」

 自転車のベルを鳴らすと深い金属音が夜気のなかを響き渡った。