初恋

いつもは普通に教室に入るのに、やっぱ昨日の事があって
教室の前で立ち止まってしまった。
「どしたの?入らないの?」
私の異変に気付いた沙希が私の顔を覗き込んできた。
「…あ、ん?」
「だから、入らないの?」
「あ、ごめん。入る入るｗ」
そして、私は教室に入った。
…。私の席の隣にはもう、渡辺ｸﾝがいた。
きまずいなぁ～…。
そう思いながらも、席に近づいた。
すると、私に気付いた渡辺ｸﾝが
「おはよう。」
そう言った。昨日何もなかったかの様に…。
その行動に頭にキタ私は、
「渡辺ｸﾝちょっといい?」
そう言って渡辺ｸﾝが返事をしないうちに教室から連れ出した。

渡辺ｸﾝを屋上に連れ出すと、不思議そうな顔で
「どうしたの?」
って。
それにも、私はキレて、
「昨日の事はなんとも思わないの?」
って、はっきり聞いた。
「あぁ。ごめん。あれは、事故だって思って?」
渡辺ｸﾝが思い出したように言った。
事故…。事故ぉ!?
その言葉で私の怒りはMAXの到達した。
「…ざけてんじゃないわよ…。」
「っえ?」
「だから、ふざけてんじゃねーよ。」
学校内にも響き渡るような声で怒鳴った。
渡辺ｸﾝは呆然と立ち尽くしていた。
「あのキスは…、あの･･･。」
そう言いながら私は渡辺ｸﾝに近づいた。
そして、私は胸ぐらをつかんで
「あのキスは、本当に好きな人としたかった。なんで、あんたみたいな男としないといけないわけ?」
涙を必死に耐えながら言った。
「それに、事故って何?ふざけないで。人をなんだと思ってんのよ。」
人をバカにしすぎだし。
思ったことをすべて言った私は教室に戻ろうとした。
そして、最後に一言
「最低な男だったんだね。」
そう言って、重い扉を閉じた。