家に帰ると、真っ先に部屋に入った。
(バタンッ)
勢いよく閉めたドアの大きく音が部屋中に響いた。
「はっ…はぁー…。」
部屋に入ったとたん、体中の力が一気に抜けたように崩れた。
そっと唇をなぞると、さっきの出来事が頭に蘇った。
「はぁー…。」
なんだったんだろ。あのキスの意味は何?
いろいろ考えすぎて、何が何だか分からなかった。
って、それよりも!!明日、渡辺クンと顔を合わせなきゃいけないじゃん…。
「はぁーーーーー。」
今日一番のため息…。
今日は何回ため息をついてるんだろう…。
私は、ベットに倒れ込んだ。
すると、いつの間にか寝てしまった。
翌日。
「ふぁ~…。あ。寝ちゃってた;;。」
私は起き上がって、シャワーを浴びるために、下に降りて行った。
シャワーに入ってる時も、昨日の事は忘れられなくて、
思い出すだけで、顔が熱くなるのが分かった。
「出よ…。」
気を紛らわすために、お風呂を出て、準備を始めた。
制服に着替えいつものようにリビングに行くと、
誰もいない。
テーブルの上には一枚の紙と、お皿にのった、おにぎりとお弁当があった。
【今日は二人とも早くなっちゃったからテーブルにあるおにぎり食べてね。なるべく早く帰ってくるね。】
とお母さんからの伝言。
私は、イスに座り横にあったおにぎりを食べ家を出た。

「おはよぉ~。今日は快晴だねぇ~。」
私のこのテンションと違って、朝から機嫌がいい沙希が
いつもように挨拶した。
「うん~。朝からテンション高いけど、なんかあった?」
「分かる?んふふ。今日はデートですからぁ~。」
なんとなく勘付いてたけど…。
「そか。頑張ってね。」
「うっわー。テンション低っ。あ、昨日連絡なかったけど、
携帯あったの?」
「あ、…忘れてた…。」
昨日はいきなりキスされて携帯の事なんて頭にはなかった…。
「はぁぁ?何考えてんのよぉー。何しに学校に戻ったの?」
バカだぁ…。
また虚しくなる。
「ごめん。」
そう言うしかなかった。
「珍しいね~。南チャンがド忘れするなんて。」
「…。」
そのあとはボーっとしてて沙希の話しが耳に入らなかった。