HRが終わると沙希が真っ先に私の席に来た。
「ねぇーｗ充ｸﾝカッコ良くない??」
目を輝かせながら言ってくる沙希に戸惑った。
「そうだね。」
「でしょｗぢゃぁ、そろそろ南ﾁｬﾝにも春かぁ～♪」
沙希の言葉が一瞬、意味わからなかった。
「…っは?…誰も好きなんて言ってないけど。」
「だって、カッコイイって思ったんでしょ?」
「確かに言ったけど…。それと、これとは違うでしょ?」
うん。確かにカッコいいっては言ったけど、それは好きとは違うもので…
「一緒だよ!!絶対、花を咲かせるんだよ!!」
最後は沙希の言っていることが分からなくて返事できなかった。

授業中、私は沙希の言葉が頭を巡っていて、隣の彼の事でいっぱいだった。
…確かに、渡辺ｸﾝはカッコイイ。でも、それは、好きとは違うもので
だって、あの顔でブサイクなんて思う人いないでしょ?
だから、結果的に好きじゃないわけで…
でも、ドキっとしてしまった自分がいて、でも、それは好きでドキっとしてしまったかは
分かんないし。
うーーーーーーーーん。
分かんない…。
私の頭の中はいろいろ考えすぎてパンク状態。
私が唸っていると
「何、ブツブツ言ってんの?」
隣から声が聞こえた。
「っえ?」
隣を見ると、渡辺ｸﾝが私を不思議そうな顔で聞いていた。
「私、一人でなんか言ってた?」
頭で考えていたことが知らず知らずのうちに言葉に出してしまっていたみたい…
「いろいろ言ってた（笑）」
そう言うと渡辺ｸﾝはニコって笑って、また黒板に目を移した。
私は急に恥ずかしくなって、顔が熱くなった。
「顔真っ赤（笑）」
また、渡辺ｸﾝが私の顔を見て、笑った。
（ドキッ…）
まただ…。
いちいち、渡辺ｸﾝの笑顔にドキドキしてしまう。
あぁぁ。わかんないよーー。