(チリリリリ~~~)
朝、目覚まし時計の騒がしい音だけが部屋中に響いた。
「寝みぃぃぃぃぃ。」
重たい瞼を必死に開けながら
さっきから騒がしい時計を止めた。
「ふぁ~…。」
あくびを一つ。
すると、
「南~。早く降りてらっしゃ~い。」
リビングからお母さんの声。
「は~い。準備していく~。」
そう返事した私は急いで制服に着替え、部屋を出た。
「おはよう。」
リビングにいた家族にあいさつをした。
「おはよう。ご飯できてるから、早く食べちゃってね。」
お母さんは朝から忙しそうで、私にそういいながら食器を片づけている。
「うん。」
私はイスに座って、ご飯を食べた。
「今日はお父さんもお母さんも遅くなるから。冷蔵庫に晩御飯いれとくわね。」
両親は共働き。
だから、夜に一人でご飯なんて慣れっ子だ。
「そう。わかった。あ、そろそろ時間だから、行くね。」
私は立ち上がり、玄関へ向かった。
「はい。お弁当。気を付けてね。」
お弁当を渡しながら、お母さんは笑顔でそう言った。
「うん。…じゃぁ、行ってきます。お父さーーん。いってくるねー。」
朝に弱いお父さんは朝は何もしゃべらない。
だから、私はリビングにいるお父さんに向かって大声で叫んだ。
「じゃぁね。」
「いってらっしゃい。」
そうして私は家を出た。