「お前、門限とかある?」
心の中で戦ってる中充が聞いた。
「え。別にないよ?」
私の親は遅くてもあんま言ってこない。
てか、親の方が遅いから。
「じゃぁ、何時でもいいわけ?」
えーーっと、なんか今日は言われたようなぁぁー…。
「うーん…。…あ!!そうだった。今日は早く帰ってきてって言われてた!」
そうだったぁー…。腕時計を確認するともう、7時。
「お前…。そういう事は早く言えよ。」
充が呆れたように言った。
「ごめん。すっかり忘れてた。」
「バカ。」
ボソっと、でもしっかり私の耳に入った。
「バカじゃない!!ド忘れぇ!!」
「一緒じゃねーか。」
「違うし。」
自分が悪いのに何、反抗してんの!?
って思ってるけど口がぁぁ…止まらん。
「いいから帰るぞ。」
そう言って充は振り返った。
「え。もう?」
「当たり前だろーが。」
「まだ見てたい…。」
このとき、この景色をまだ見てたいって思ってたけど、心のどこかでは充とまだ一緒にいたいって思ってたのかもしれない。
「しゃーねーな。また一緒に来てやるよ。」
充が私の身長に合わせるように屈んだ。
「ホント!?」
私がもう一度繰り返すと
「おう。」
笑顔で言ってくれた。